イオンの吸着しやすい順番は
- Hideyuki Hagiwara
- 5月8日
- 読了時間: 3分
多高イオンのほうが吸着されやすいとのことでした
硝化の過程で生成されるイオン(アンモニウムイオン、亜硝酸イオン、硝酸イオン)がイオン交換樹脂に吸着されやすい順番を知りたいということであれば、以下のようになります。
陽イオン交換樹脂: 吸着されやすい順は条件によって変動しますが、一般的に 多価イオン > アンモニウムイオン(NH₄⁺)> 一価のアルカリ金属イオン の傾向があります。
陰イオン交換樹脂: 硝酸イオン(NO₃⁻)> 亜硝酸イオン(NO₂⁻)
解説: イオン交換樹脂によるイオンの吸着(交換)のしやすさは、樹脂の種類(陽イオン交換樹脂か陰イオン交換樹脂か)と、イオンの電荷数、イオン半径(水和イオン半径)、そして樹脂との親和性によって決まります。
陽イオン交換樹脂の場合(アンモニウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオンなど陽イオンを吸着する樹脂)
一般的に、陽イオン交換樹脂への吸着されやすさは、以下の傾向があります。
電荷数が大きいほど吸着されやすい: 例えば、2価のイオン(Ca²⁺、Mg²⁺)は1価のイオン(NH₄⁺、K⁺)よりも強く吸着されます。
イオン半径(水和イオン半径)が小さいほど吸着されやすい: 同じ電荷数の場合、水中で水分子を引きつけている数が少ない(水和イオン半径が小さい)イオンほど、樹脂の官能基に近づきやすく、強く吸着されます。一般的に、イオン半径が小さいほど水和半径は大きくなる傾向がありますが、イオンの種類によって例外もあります。
樹脂との親和性が高いほど吸着されやすい: 樹脂の官能基との相互作用の強さによって吸着力が異なります。
これらの要素を考慮すると、アンモニウムイオン(NH₄⁺)が他の一般的な陽イオンと比較して、特に吸着されやすいという強い傾向はありません。
一般的な陽イオン交換樹脂への吸着されやすい順番の例としては、以下のようになることが多いです(あくまで傾向であり、樹脂の種類やpHなどの条件によって変動します)。
多価イオン > 一価イオン 同じ価数の場合、水和イオン半径が小さいもの > 大きいもの
例: Ca²⁺ > Mg²⁺ > K⁺ > NH₄⁺ > Na⁺ > H⁺
したがって、アンモニウムイオン(NH₄⁺)は、カルシウムイオン(Ca²⁺)やマグネシウムイオン(Mg²⁺)などの多価の陽イオンよりも吸着されにくい傾向があります。カリウムイオン(K⁺)やナトリウムイオン(Na⁺)とは、イオン半径や樹脂との親和性によって順位が変動する可能性があります。
陰イオン交換樹脂の場合(亜硝酸イオン、硝酸イオンなど陰イオンを吸着する樹脂)
陰イオン交換樹脂への吸着されやすさも、電荷数、イオン半径(水和イオン半径)、樹脂との親和性に依存します。
電荷数が大きいほど吸着されやすい: 例えば、2価の陰イオン(SO₄²⁻)は1価の陰イオン(NO₂⁻、NO₃⁻、Cl⁻)よりも強く吸着されます。
イオン半径(水和イオン半径)が小さいほど吸着されやすい: 同様に、水和イオン半径が小さいほど強く吸着されます。
樹脂との親和性が高いほど吸着されやすい: 樹脂の官能基との相互作用の強さが影響します。
亜硝酸イオン(NO₂⁻)と硝酸イオン(NO₃⁻)はどちらも1価の陰イオンです。一般的には、硝酸イオン(NO₃⁻)の方が亜硝酸イオン(NO₂⁻)よりもイオン交換樹脂に吸着されやすい傾向があります。これは、イオン半径や樹脂との親和性の違いによるものです。
したがって、陰イオン交換樹脂への吸着されやすい順番としては、
硝酸イオン (NO₃⁻) > 亜硝酸イオン (NO₂⁻)
となります。
まとめ
陽イオン交換樹脂: アンモニウムイオン(NH₄⁺)は、多価の陽イオン(Ca²⁺、Mg²⁺)よりも吸着されにくい傾向があります。
陰イオン交換樹脂: 硝酸イオン(NO₃⁻)の方が亜硝酸イオン(NO₂⁻)よりも吸着されやすい傾向があります。
Comments