テクニカルノート
シリコン型切開2分割法
フィギュアや模型の複製ではパーツ数が多くなります。
この場合は1つのシリコン型で複数個のマスターモデルをならべまとめて作成すると良いでしょう。
また1つのマスターモデルから数個複製し、同時に複数個注型すると短時間で数多く作成できます。
シリコンを流す型枠を作ります。
シリコン切開法は中の様子が見やすいほうが良いので今回はアクリル板で型枠を作ります。
2部品を作成するので2つ同時に型取りすることにしました。アクリル板の接着は、最近発売された貼って剥がせる接着剤を試しに使ってみます。
今までは木工用接着剤を使っていました。これも乾くのに一晩かかりますが、後で剥がせるので重宝します。
※貼って剥がせる接着剤はアルコールに浸すと剥がしやすくなりなりました。
マスターモデルにゲートを取り付ける
マスターモデルのゲートと型枠内に立てるための棒を接着します。
マスターモデルを支えるためと、樹脂が流れる通り道となるので気泡が抜けやすくなるように取り付けます。瞬間接着剤を使用した時は一晩放置し成分を飛ばします。(付加型シリコンを使う場合効果不良防止)
※しっかり取り付けないとシリコンを流し込む時マスターモデルが倒れます。
マスターモデルにゲートを取り付ける
マスターモデルのゲートと型枠内に立てるための棒を接着します。
マスターモデルを支えるためと、樹脂が流れる通り道となるので気泡が抜けやすくなるように取り付けます。瞬間接着剤を使用した時は一晩放置し成分を飛ばします。(付加型シリコンを使う場合効果不良防止)
※しっかり取り付けないとシリコンを流し込む時マスターモデルが倒れます。
型枠を組み立てる
マスターモデルの立てる位置を考えながら板を定規等を使って組み立てます。
この時縦側だけ接着し、底面はマスターモデルを立てて固定してから最後に枠を底面に接着します。
※型の厚みを考えて幅を決めます。特に精密モデルは厚めにします。
マスターモデルの固定
組み立てた型枠を一旦外し、マスターモデルを立てます。
※下の台との接着は確実に!場合によっては穴を開け差し込みます。
追加説明:レンズと枠は一体で透明樹脂にて成形するので、予め枠にレンズは接着しています。
枠板の底辺を接着
マスターモデルが固定されたら型枠を下板に接着します。
※場合によっては枠を置き、周りを粘土で目張りするだけでも可能です。
シリコン投入
シリコンを型枠に流し込みます。
この時マスターモデルが倒れないよう前後左右均等に流し込むと良いでしょう。
※シリコンは硬化剤混合後一度脱泡しておくと良いでしょう。
シリコン投入
今回はマスターモデルに細穴があるため細部にシリコンがながれません。
そこで真空脱泡し細部までシリコンを行き渡らせます。
この時噴きこぼれ無いようガムテープ等で縁を付けると良いでしょう。
※前の項で説明したように、一度脱泡しておくと比較的沸騰が少なくなります。
シリコン型取出しと切開
シリコンが硬化したら型枠をばらしシリコンを取り出します。
カッター等でゲートから切り開いていきます。
マスターのパーティングラインはまっすぐに、表面は波型になるように切開すると型がずれなくなります。
※シリコン型は完全に2つに分けないで、底部を少し残すとより型ずれが防ぐことが出来ます。
湯溜まりの設置
切開がかんりょうしたら湯溜まり部分をカッター等で切り取ります。
今回は作成個数が少ないのでテープを巻き湯溜まりとしました。
※ここでゲート、ランナーを樹脂が通るか最終確認を行います。
樹脂注型
シリコン型に樹脂を注型します。
今回ガラスレンズを金属枠に接着した状態でテスト注型を行うためシリコン離型剤は塗布しないでそのまま注型します。
※透明樹脂を注型する時はマスターモデルの表面処理に注意します。そのまま転写され透明度に影響します。
脱型
硬化したらシリコン型を開き成形品を取出します。
今回はレンズなので透明性をあげなければならないので離型剤は使用しませんでした。
透明樹脂を使う場合、真空注型でないと気泡が残ります。